基板ができた時、
すべての苦労が
吹き飛ぶ。
設計
S.O
システム技術部
センシングシステムグループ
2019年入社
国際環境工学研究科 情報工学専攻 卒
入社3年目、はじめての回路設計。
未知の分野への挑戦。
大学では、人々の暮らしを守る災害対応ロボットの制御に興味があり情報工学を専攻。勉強する中で、ロボットにおいて周辺環境を認識・識別する難しさを実感しました。それと同時に、未確立の技術に対する大きな魅力も感じました。それ以降、ロボットの目となるカメラやレーダーといったセンサーを研究する道へと進みました。研究をしていく中で日本無線の研究開発に惹かれたことが、入社の決め手となりました。
入社後の印象に残っている仕事は、自動走行車両の周囲の危険を監視する「ハイレゾ周辺監視システム」の回路設計業務。2019年の入社当初はソフトウェア設計を担当しており、回路設計を担当することになったのは2021年のこと。そもそも、デジタル回路は大学の講義で少し学んだ程度でほとんど知識がありませんでした。先輩に教わりながら1次試作機を設計したのですが、設計当初は接続図を読んでも大まかな電流の流れる方向を追うことだけで精一杯。設計が思うように進まず、苦戦しました。プログラムと違って、物ができてしまうと、簡単に修正や変更ができません。不具合が出ない設計が大事な条件。本当に完成するのだろうかと、何度も心が折れそうになりました。
なぜ、動くのか。なぜ、動かないのか。
自分の頭でしっかり理解する。
回路設計と聞くと、多くの人は電源と制御するものを接続して機能すれば十分だと思いがちです。しかし、製品の設計となると、単純に点と点を結ぶだけでは不十分です。たとえば、ノイズなど外部からの影響を受けることもあります。目の前の回路だけでなく、周辺機器や設置される環境のことまで考慮しながら、「動かすための品質」を担保する設計が求められます。このような深い理解は、大学で学ぶ内容には含まれていないことが多いです。しかも1台だけ動いても意味がありません。何万台作っても、どれもがしっかりと動く回路でなければならないのです。
そんな中で私が心掛けたことは、「理解して設計する」ということです。「なぜこの回路はこの構成でなければだめなのか」「なぜこのままだと電流が流れないのか」。基本に立ち返ることで、課題と状況を明確に把握する。地道に理解する。一つ一つをおろそかにしない。そうして回路設計が完了し、基板が出来上がったときの嬉しさは格別で、何度も何度も基板を眺めました。設計中は「こうなるだろうな」というイメージを持っていたものの、実際に物としては存在しなかったわけです。それが、今こうして目の前にある。この瞬間が、設計をしていて一番嬉しい瞬間でもあります。
もっと技術力を磨きたい。
後輩に指導できる
リーダーになりたい。
日本無線の良いところは、経験がない中でも、思い切って任せてもらえるということです。しかも、若手であっても「こうしたい」とか「こうしたらいいと思う」という意見・意思を積極的に発信できます。だから「本当はこうしたかったんだけどなぁ」と後悔することがありません。入社して、物事の進め方も学ぶことができました。元々、好奇心で飛びついてしまうタイプの人間なのですが、チーム一丸となって製品開発をするわけですから、お互いの意見も尊重しあいながら慎重に進めなければいけません。仕事をする上で心掛けていることは、「一つの依頼に対して、依頼内容をそのまま返すのではなく、依頼者の意図や背景まで読み解いて返答する」ということです。そうすることで、チーム内だけでなく、社外の人とも濃いやりとりができ、仕事をよりスムーズに進めることができます。
回路設計者としては、もっと技術力を磨きたいです。回路設計というのは分野が広くて、回路の種類・役割によって、まったく違います。また、回路設計者は回路を設計するだけでなく、部品の決定や納期の調整も担当します。「全部見える人」になるには、10年はかかると言われています。また、物を動かせるようにするだけでいいわけではなく、いかに量産時の品質を担保するかも重要。その設計配慮が設計者の腕の見せ所でもあると思っています。その点、私の力はベテランの技術者に比べるとまだまだ足りない。将来的には、リーダーとして後輩の指導ができるような技術者になりたいです。
日本無線を選んだ理由
元々は災害対応ロボットなどのような人の安心・安全を支えるロボットの制御に興味があり、その流れでロボットの目となるカメラやレーダーといったセンサーの研究をおこなっていました。就職活動では「自分は何がしたいのか」という点に重きをおいて企業を探しました。日本無線はこれまで自分が培ってきた経験やノウハウを最も活かせる企業だと感じたため入社を決めました。
1日のスケジュール
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8:30
出社してメール確認
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9:00
チームの定例会に参加する
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10:00
設計作業 商社との打ち合わせ、会議
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12:00
食堂で昼食をとる
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13:00
部品メーカーさんとの打ち合わせ
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14:00
午前中の設計作業の続きをおこなう
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17:15
退勤して、家で子どもと遊ぶ